学生、保護者の皆様へ
令和2年9月23日
福岡工業大学
福岡工業大学短期大学部
学長 下村 輝夫
1.今次災禍の現状について
今次新型コロナウイルス感染症は、世界中で猛威を振るい、甚大な災禍となりました。我が国においても、医療崩壊等の最悪事態は回避したものの警戒体制が継続され、その影響は、公衆衛生上の問題にとどまらず、経済活動の休止・縮小が不可避となり国民生活・家計に大きな影響をおよぼすこととなりました。高等教育機関(大学・短期大学等)においては、中・高等学校とは、管理すべき施設の規模、学生の数、年齢層、行動範囲等に大きな違いがあり、キャンパスに数千人の若者が集まって、クラスターが発生しやすい環境にあることから、文部科学省の休業要請も出され、諸活動の運営は極めて難しいものとなりました。
2.本学の取組経過について
このような状況の下で、本学では「For all the students~すべての学生生徒のために~」を理念に学園の総力を注いできました。学生の安全・安心、学修機会・質の確保、進路の決定、親身なサポートに向けて、遠隔授業・サポートを基本として、次のとおり様々な取組みを行ってきたところです。様々な取組みは、相応の教育成果を生じさせたと判断しています。
①遠隔授業の全学統一・積極的展開の基盤づくり
- 遠隔授業環境の整備(遠隔授業施設・設備、ソフトウェアを導入)
- 学生の受講(受送信)環境の調査と整備サポート
- 全教員に対して、「実施手順」と「ガイドライン」を周知徹底
- 遠隔授業システム(ハイブリッド型学修プラットフォーム)を構築(下記“「遠隔授業」を支える「ハイブリッド型学修プラットフォーム」”参照)
②遠隔授業の補完的取組
- 感染予防策(フェイスガード、シールドパーティション等の用品配置等)を徹底して、実験・実習を対面形式で実施
- 遠隔授業サポート窓口の開設
- 学修・キャンパスライフの不安・悩み解消のイベント(FIT inサポート)の開催
- 同上の目的で「学生アドバイザー制度」の実施
- 学修進捗に問題があると判断される学生に対する「教務課・学生課フォローアップ制度」の実施
③キャリア教育・就活支援の取組
- オンラインでの就職相談・模擬面接(面接指導)・企業採用情報提供
- オンライン企業説明会・採用面接
- 感染予防策(サーモカメラ導入等)を徹底して、学内企業説明会・選考会を3,6,7,9月(参加492社)に開催(就職課の採用企業開拓・ネットワークづくりは、ほぼ従前どおりに活動)
④図書館・情報基盤センター・厚生施設等の運営
- 学生の学習スペース確保、学習サポートに向けて、図書館の開館継続(一部利用制限)、学習参考書籍類の宅配サービス等を実施
- ICT環境が不十分な学生へのサポートとして、情報基盤センターPC演習室等を開放、IT技術相談員も配置
- 厚生施設(ブックストア、レストラン、コンビニエンスショップ等)は営業継続
⑤前期遠隔授業の改善、後期授業運営に向けた取組、その他の取組
- 遠隔授業等の継続的改善に向けて「受講状況調査・学生生活アンケート」や「授業アンケート」の実施・分析
- 定期試験結果の分析による後期授業方法・内容の見直し
- 後期に実施予定であった施設・設備の整備(教室のAV設備更新、先進的実験設備の導入等)
3.今後(後期)の学校運営について
今後、現行の政府、文部科学省、並びに私学関係団体等の指導や助言が、「諸活動の制限を強化」するものとしてなされる場合を除き、今後の学校運営を「通常の学校運営」に近づけていきます。後期授業については、すでに学生の皆様に「学生ポータルサイト(以下「myFIT」)」を通じた案内のとおり、感染予防策を十分に施して、「対面による授業」を拡大していきます。授業以外の課外教育、クラブ・サークル活動等の課外教育、モノづくりセンターやエクステンションセンター等付属施設の学習支援活動等についても、通常の学校運営に近づけていきます。とりわけ、キャリア教育・就活支援については、これから卒業までの期間の重要性に鑑み、進路の決定に向けて従前と同等以上のサポートを行っていきます。もとより、学内教育・厚生施設・設備等の利用制限は通常利用に向けて緩和していきます。
4.対面授業再開にあたっての学生・ご父母の皆様へのお願い
冒頭に述べましたとおり、今次感染拡大の状況においては、大学生が、その年齢、行動範囲の広さ、広範・長時間の通学等から、社会から批判的にとらえられる場合もあります。学内では、「新型コロナウイルス感染拡大予防策の対応について(お知らせ)」と「同感染拡大予防策の徹底について(お願い)」を随所に掲出し、当該案内と協力要請に努めています。学内はもとより、学外・家庭においてもご理解とご協力をお願いします。
5.今後の教育内容・方法の充実に向けて
先に発足した政府・菅内閣からは、「デジタル庁の創設(IT強化)」が政策課題として示されました。我が国に定着しつつある「オンライン授業」をさらにブラッシュアップすることは、大学の差し迫った課題と言えるでしょう。オンライン授業を、対面授業での学び、授業(教室・研究室)以外での学び、学生・教職員間の交流による学びの磨き上げとともに並行的に進め、学びの選択肢を広げ、その先に学生の皆さんの将来が切り開かれるものとして、教職員一同努力していきます。ご理解とご協力をお願いします。
【学納金の取り扱いについて】
「今学期の学校運営、経済的支援、学納金の取り扱いについて(2020年5月1日付け、学生、保護者の皆様へ)」を参照ください。
【経済的支援について】
上記の案内に記載した支援策に加え、新たな学内経済的支援制度を創設します。また、学生貸付制度については、再度申込・受付の開始を検討しています。詳細は「my FIT」等で案内します。
「遠隔授業」を支える「ハイブリッド型学修プラットフォーム」
myFIT
- オンラインクラスに最適な次世代学修支援システム。
- 授業資料、課題、授業Q&A、テスト、クリッカー、プロジェクト、ディスカッション、アンケート、掲示情報等の機能を提供。
- 遠隔授業の入り口と、授業における学生・教員間の双方向コミュニケーションを実現。
FIT-AIM
- 日々の学修活動を記録する学修ポートフォリオシステム。
- 学期目標、授業の理解度・取組姿勢、授業の振り返り、授業外学修の計画・実績、主体性評価、課外活動、成果物等の記録機能を提供。
- 学生の授業の気付きや、理解が不十分だった点に対し、教員からフィードバック指導。
FIT Moodle
- myFITを補完するLeaning -Management – System。
- 数学・物理等の高度な数式を要するオンライン学習やテストの機能を提供。
FIT App Library
AI・データサイエンスの学習や教材DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する高度ソフトウェアを配備。- MATLAB(数値解析)
- Mathematica(数式処理)
- Adobe(メディア創作)
FIT Cloud
- Microsoft 365を採用し、高負荷の動画配信やOffice利用にクラウドパワーコンピューティングでアクセスを安定化。
- 全学生は、Microsoft Officeのオンライン導入が可能。
- 教員は、PowerPointや収録カメラから授業動画を制作。
- 「オンデマンド型授業」にMicrosoft Streamを活用。
- 「ライブ型授業」と学生ケアにMicrosoft Teamsを活用。