2024年3月7日(木)沖縄にて開催された日本機械学会九州学生会第55回学生員卒業研究発表講演会において、知能機械工学専攻1年(受賞時は知能機械工学科4年)朱研究室の学生の研究発表が「優秀講演賞」を受賞しました。
受賞した研究のタイトルは「誘電性エラストマの誘電特性及び発電特性に及ぼす TiO2の影響」で、電気を加えることによって変形する素材“誘電性エラストマ”の発電特性について検討したものが評価されました。
題目「誘電性エラストマの誘電特性及び発電特性に及ぼすTiO2の影響」
誘電性エラストマ(DE)は、優れた伸縮率や応答速度を有し、エネルギー獲得において高エネルギー密度を持つ高分子材料であるため、新しい発電材料として注目を集めています。誘電性エラストマ発電機(DEG)は、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するデバイスであり、その基本原理は DEの静電容量変化に基づいています。本研究では、DEGにおける発電特性の向上を追求し、3種類の異なるDEを用いて誘電特性及び発電特性を測定しました。その結果、シリコーン系DEでは、TiO2※の添加率が高いほど優れた誘電特性が示されました。一方で、発電特性についてはTiO2の添加率が高いほど単調に向上するわけではなく、規則性が見られませんでした。その原因に関しては、電気及び力学特性の観点から考察を行いました。また、負荷速度による影響については、負荷速度を増加させても一定のシリコーン系DEの発電特性を維持または向上させることが確認されました。これらの結果は、DEGの設計や材料選定において、負荷速度や材料の誘電特性が発電性能に与える影響を理解する上での重要な要素であることを示唆しています。
※TiO2:酸化チタン