情報工学部情報工学科山口裕准教授が、日本応用数理学会第19回研究部会連合発表会(2023年3月開催)において、「日本応用数理学会応用カオス研究部会上田睆亮賞」を受賞しました。受賞した講演のタイトルは「敵対的生成ネットワークにより生成される疑似カオス時系列にみられる誤差の分析」で、2022年度卒業の山口研究室の大学院生と共同で研究したものです。山口研究室の研究テーマである生成AIの分野において、カオスを対象とし、畳み込みネットワーク(CNN)を利用して生成された時系列の性質を分析・検討したものが評価されました。
タイトル:敵対的生成ネットワークにより生成される疑似カオス時系列にみられる誤差の分析
概要:畳み込みネットワークにより構成される敵対的生成ネットワークが生成する擬似的な時系列データが持つ性質を、カオス時系列を学習したモデルを対象として調べました。ロジスティック写像の軌道を生成することを学習した生成モデルは、元の軌道の特徴をよく近似した疑似時系列を生成できます。しかし稀に大きな誤差がこの疑似時系列の中に現れることが観察されています。本研究ではこの誤差の分布や大きな誤差の出現頻度、出現間隔の分析を行いました。