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[生命環境化専攻]新材料系カテゴリーで最優秀認定。北山研究室・松山研究室一般社団法人資源・素材学会九州支部2023年度総会・春季例会・若手研究者および技術者の研究発表会「Presentation Award Kyushu, MMIJ」受賞

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2023年5月26日(金)九州大学にて開催された一般社団法人資源・素材学会九州支部『2023年度総会・春季例会・若手研究者および技術者の研究発表会』において、生命環境化学専攻1年北山研究室の学生と松山研究室の学生の研究発表が素材新材料系のカテゴリーで最優秀と認められ、Presentation Award Kyushu,MMIJを受賞しました。
「高強度炭化ケイ素セラミックスの開発研究」

炭化ケイ素(SiC)セラミックスは、高熱伝導率や耐摩耗性、耐熱性、低熱膨張率、高剛性、低比重など優れた特性を有しているため、高温構造部材や耐摩耗部材、半導体製造部材として用途を広げています。しかし、低強度・低靭性な材料であるため、大型化・複雑構造化が難しいという問題があります。一方、窒化ケイ素(Si₃N₄)セラミックスはβ-Si₃N₄(針状結晶)によるクラックブリッジング機構が働くため、高強度・高靱性なセラミックス材料として知られています。また、セラミックスの機械的特性改善の一般的な方法として、複合化による方法が知られています。従来のSiC/Si₃N₄複合材料の研究の多くは、Si₃N₄にSiCを複合化して硬度等の機械的特性の向上を目的としており、SiCにSi₃N₄を複合化して強度や破壊靱性を向上させるという研究例はほとんどありません。

そこで、本研究はSiCセラミックスを高強度化することを目的とし、β-Si₃N₄の針状結晶で強化したSiCセラミックス(SiC/Si₃N₄複合材料)を作製するために、全く新規な作製方法を提案し、本手法の実現可能性を検討しました。Fig.1には本手法により作製したSiC/Si₃N₄複合材料の微細構造を示しています。

「超臨界活性化による金属有機構造体の高機能化と多孔質高分子薄膜への固定化および吸着特性評価」 

近年、新しい多孔質型の分離材料として、金属有機構造体(MOF; Metal Organic Framework)と呼ばれる金属錯体化合物の利用が注目されています。MOFは、金属イオンに有機分子が配位してできる化合物であり、規則正しい細孔構造を有します。また、細孔のサイズ・形状・性質を自在に設計することができるため、分離材料としての工業的な利用法の開発が検討されています。しかし、多く利用されるソルボサーマル条件下で合成したMOFは微粉体でハンドリングが困難であり、分離材料としてのMOFの実用的な工業的利用を検討した場合、MOF自身の形状制御や他材料との複合化技術が必須となります。

そこで本研究では、Fig.1に示すようにソルボサーマル法を用いて調製した粉末状のMOFであるCu3(BTC)2を超臨界CO2乾燥法1)を用いて高比表面積化した後、多孔質高分子膜と複合化し、吸着材料への応用について検討しました。MOF微粉体の多孔質高分子膜中への固定化には、超臨界CO2の非溶媒誘起相分離法を利用しました。Cu3(BTC)2を多孔質ポリスチレン膜中に固定化することにより、優れた操作性と吸着特性を有するMOF微粉体が固定化された多孔質高分子膜の開発を研究目的としました2)

参考文献
1)K. Matsuyama, N. Hayashi, M. Yokomizo, T. Kato, K. Ohara and T. Okuyama, J.Materials Chem. B, 2(43), 7551-7558(2014)
2)K. Matsuyama, Y. Kawahara, A. Shoji, T. Kato and T. Okuyama, J. Applied Polymer Sci., submitted

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