【特許番号】第7009008号 【登録日】令和4年1月14日
【発明の名称】下水汚泥焼却灰の処理方法
工学部生命環境化学科の久保准教授が発明し、特許出願した「下水汚泥焼却灰の処理方法」に関する技術発明が特許権を取得しました。
<本特許発明の要約>
農作物をはじめとする食料品に含まれているリンは、例えば人間の日常生活において消費されることで屎尿として下水等の生活排水となります。そして、下水処理場にて活性汚泥処理等の排水処理プロセスを経ることで、リンの大部分が汚泥中に濃縮されます。汚泥中に濃縮されなかったリンは排水として放流されますが、その排水中のリンは海域において環境汚染物質として作用するため、排水中のリンの含有量が多くなることにより富栄養化等の環境悪化を招くことにもなりかねません。そこで、下水処理の分野では、富栄養化防止の観点で排水中に含まれるリンを沈殿除去する技術が導入されていますが、沈殿物としての下水汚泥が大量に発生します。従って、下水汚泥焼却灰からリンを全量回収することができれば、我が国におけるリン資源の多くを賄えることが期待できます。しかしながら、下水汚泥焼却灰にはリン鉱石に比べ、リン以外の多くの不純物が含まれているため、下水汚泥焼却灰からリンを選択的に回収することは容易なことではありません。そこで、下水汚泥焼却灰から積極的にリンを分離回収して再資源化するための技術が求められています。