合計特殊出生率を簡単に算出するプログラムを開発しました
本学は社会貢献の一環として、包括連携協定を結んでいる近隣自治体の抱える課題に対し、学術的な視点から課題解決に取り組んでいます。また、自律的に考え、行動し、社会で活躍することのできる人材、実践型人材を育成するため、ゼミナールや研究室単位で学生の学びを社会の課題と結び付ける課題解決型学習(PBL:Project based learning)を積極的に推進しています。
“ベイズ推定“を用いた合計特殊出生率 算出プログラム
古賀市では合計特殊出生率を毎年独自に算出しているものの、偶然変動による影響を排除していないため、年によって大きく上下するという課題がありました。そこでベイズ推定※という複雑な計算を必要とする手法を使って古賀市の1年ごとの合計特殊出生率を簡単に算出できるようなプログラムを作れないかと相談があり、この課題をシステムマネジメント学科宋研究室が引き受け、今年度、研究室に所属する学生2名が卒業研究のテーマとして解決に向け1年間活動してきました。※ベイズ推定を合計特殊出生率算出に用いると、小地域に特有なデータの不安定性を緩和し、安定的な推定を行うことが可能となります。
完成品プログラムを古賀市長に提供
宋研究室の学生2名と宋教授は3月17日、古賀市役所を訪問し田辺一城市長へ完成したプログラムの説明を行った後、プログラムの入ったCDをお渡ししました。田辺市長からは古賀市の要望に応えたことに感謝され、「今後は、本プログラムにて算出した推定値を活用していきたい」と実際の業務に利用していく意向をお聞きすることができました。
開発を担当した2名の学生は「合計特殊出生率算出の元となる福岡県が公開しているデータは不詳のものを含むため、本来の人口を再現するのに長期間を要し大変だったが、出生率に対する知識を得ることができたことや、知らないプログラミング言語を学ぶいい機会になったのでやってよかった。実際に古賀市で活用してもらえると聞き、大変嬉しい。」と、やり遂げたことと社会に貢献できたことの達成感を味わっていました。