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【研究NOW! vol.15】超電導物質Nb5Ir3−xPtxOに関するスイスの研究チームとの国際共同研究が『Physical ReviewB』に掲載されました

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電気工学科 北川二郎教授の研究室では、独自の物質設計に沿って新しい磁性、超電導材料の開発を進めています。この度、北川教授とスイスの研究チーム(チューリッヒ大学、パウル・シェラー研究所、スイス連邦工科大学)との国際共同研究が、この度アメリカ物理学会が発行し、物理学の専門誌として権威のある『Physical Review』のONLINEに掲載されました。掲載されたのは物性物理学、材料物理学領域の『Physical Review B』で、タイトルは「Crossover from multiple- to single-gap superconductivity in Nb5Ir3−xPtxO alloys」 超電導物質Nb5Ir3−xPtxOに関する研究です。

→Physical Review 掲載ページ

 

この研究は、2019年より北川教授とスイスの研究チームが超電導物質Nb5Ir3−xPtxOについて取り組んできたもので、北川教授が純良試料の制作を担当し、スイスの研究グループが物性測定を担当しました。ほとんどの超電導体では、超電導状態を担うキャリアの軌道は1種類しかありませんが(1バンド超電導体)、近年それが複数ある多バンド超電導体が見つかり、風変わりな超電導体として研究が盛んです。大抵の超電導体では1バンドか多バンドか定まっていますが、Nb5Ir3-xPtxOでは、xを変えていくと多バンド超電導体から1バンド超電導体へ移り変わることを発見しました。本研究は、昨年の国際会議で、北川教授がNb5Ir3−xPtxOの超電導について発表したところ、スイスの研究チームが興味をもってくれて共同研究としてスタートしました。

超電導材料はMRI(磁気共鳴画像診断装置)やリニア新幹線に使われています。超電導は低温で現れる現象で、超伝導状態になる温度を超電導転移温度と呼びます。超電導転移温度が高ければ高いほど、実用面で価値が高く、多バンド超電導体がその候補です。本研究で、今後、多バンド超電導体の合成指針が得られることが期待されます。

 

試料合成に用いたアーク溶解炉
スイスの共同研究チームであるチューリッヒ大学、スイス連邦工科大学は世界大学ランキング2020でも90位、14位と上位に位置する有名大学であり、パウル・シェラー研究所(PSI)はスイス最大の自然科学・工学の研究センターで世界有数の大型研究施設です。

 

北川 二郎教授

 

  • 工学部 電気工学科
  • 工学研究科
    修士課程電気工学専攻
    博士後期課程物質生産システム工学専攻
  • 研究分野:工学基礎

 

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TEL:092-606-0607(直通)
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