9月29日九州工業大学にて開催された「2019年度電子情報通信学会九州支部 第27回学生会講演会」において、修士課程 電子情報工学専攻2年生の発表論文が、「学生会講演奨励賞」を受賞しました。
受賞研究テーマは「潮位測定レーダシミュレーションによる新方式潮位推定方法の開発」です。
発表タイトル:「潮位測定レーダシミュレーションによる新方式潮位推定方法の開発」
概要:現在の津波の測定機器としてGPSブイ、海底に設置された感圧計などがあるが、設置コストやメンテナンス費用が高く、安全面においても問題がある。本研究室では、合成開口レーダの技術を用いた潮位測定の研究を行っている。レーダは陸上に設置されるためGPSブイ等と比較して設置コストやメンテナンス費用は安価であり、それらが抱えている問題を解決することができる。本レーダでは送信アンテナを1つ、受信アンテナを高さ方向に複数並べるシステムを構築することで潮位(高さ)の測定を行う。(図1)高さ方向の距離分解は高さ方向に複数並べた受信アンテナの観測対象からの受信信号の受信タイミングの違い(位相差)を解析することで行う。(図2)従来の解析手法ではこの位相差を異なる時間で測定し、時間平均を行うことで潮位を推定していた。この解析手法では高精度な結果を得るには長時間のデータの蓄積を行う必要があり、リアルタイム計測という点において課題がある。そこで、本研究では一回のデータ取得で潮位の推定を行えるようにするために異なるレンジにおける複数の位相分布を平均化することで潮位の推定が可能かシミュレーションによって検討を行った。
シミュレーション結果より、今回提案する解析手法が従来の解析手法と同様に潮位を推定できることを明らかにした。(図3)また、潮位の推定精度の調査も行い、推定精度は海面の波高に影響され、推定精度の推移は平均に使用したデータ数の平方根の逆数に比例して収束してくと考えられる。
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