包括的連携協定を締結している新宮町の川や海の水生生物の生息状況について、社会環境学部 乾教授の「ゼミナールⅠ(2年生対象)」で調査を行っています。これは、2021年度「新宮町および相島の海・河川を中心に、町内に生息している甲殻類をはじめとする無脊椎の生息状況を明らかにする」というテーマの調査を実施、それから2年後となる2023年度に改めて調査を行うものです。今回は新たに、調査結果をもとに課題を発見し、水生生物の保全について検討、その方法等について新宮町へ提案することを目標としています。
【キックオフ:4月19日(水)】初回は新宮町環境課 安河内課長と今村主幹および今年度の履修者を対象に、2年前の調査に携わった現4年生から調査結果の報告がありました。新宮町環境課からは、「書面の報告書はいただいていたが、調査した学生から直接報告してもらう機会はなかったため、理解が進んだ」とのコメントがあり、「今年度は調査地区をプラスし、重点ポイントを設定しながら調査にあたっていただきたい」との要望が述べられました。
【実地調査:2023年6月~継続中】10月までに6地区の調査が終了しました。新宮浜は綺麗な砂浜が特徴的で目視でも魚が確認しやすく、スズキやヒラメ、クロウシノシタ、ヒゲダイ、絶滅危惧種のドチザメ(EN:IUCNレッドリスト)など、7種が確認されました。(写真は6月14日(水)新宮浜での調査風景)
【中間報告:10月18日(水)】新宮町環境課にお越しいただき中間報告を行いました。調査では6地区で59種の生物が確認され、絶滅に近い生物4種も確認されたことから、今後保全していく必要があるとの報告がありました。新宮町からは採取された外来種の影響や多数生息していると思っていた生物の減少等、生態系の変化に関する質問があり、今後も連携しながら調査を進めていくこととなりました。