電気工学専攻 田島研究室・電気工学科 井上研究室
9月7日(木)~8日 熊本市の崇城大学において開催された2023年度(第76回) 電気・情報関係学会九州支部連合大会において、電気工学専攻 修士課程1年 田島研究室の学生と、電気工学科4年 井上研究室の学生が、「令和5年度 優秀論文発表賞B賞」を受賞しました。
テーマ:「A Study on the Application of Activated Carbon for an Electric Double Layer Capacitor with Aqueous Electrolytes」
SDGsの観点から発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーが急速に普及しています。このような時代の中で、電力のバランスを保つことは重大な社会課題とされており、電力貯蔵を可能とする蓄電技術への関心が高まっています。本研究では、蓄電池の一種である電気二重層キャパシタに着目し、その材料である活性炭の評価を行うために比静電容量および内部抵抗測定を用いました。さまざまな条件で作製したサンプルを評価する中で、甲殻類に含まれる高分子多糖類であるキトサンを含浸した活性炭サンプルは、市販品と比較しても良い性能を示すことを確認しました。
テーマ:「ねじりにより劣化した希土類高温超伝導線材の臨界電流密度分布」
超伝導線材は交流損失を低減するためにより線化の研究が進められています。希土類系高温超伝導(RE:希土類、REBCO)線材はより線加工を施すと線材幅方向端部に応力がかかり、臨界電流(I_c)が低下します。これはREBCO膜がセラミクスで脆いことで線材を切断した際に生じるマイクロクラックが、ねじりによって伸展していることが原因ではないかと懸念されています。そこで我々は、ねじりによりI_cが低下したREBCO線材の劣化の起点と伸展について考察するため、走査型ホール素子磁気顕微鏡による面内臨界電流密度分布測定を行いました。また、走査型電子顕微鏡による表面組織観察も行い臨界電流密度分布との対応について検証しました。検証の結果、臨界電流密度分布が低下している領域で線材端部のマイクロクラックは伸展していたものの、線材内部まで伸展している様子はありませんでした。そこで結晶構造に着目したところ線材内部では局所的な結晶粒の剥離の伸展が確認でき、クラック形成の起点となっていました。したがって、ねじりによって結晶粒の剥離が生じて伸展したことが、I_c低下の原因であると考えられます。
超伝導線材は交流損失を低減するためにより線化の研究が進められています。希土類系高温超伝導(RE:希土類、REBCO)線材はより線加工を施すと線材幅方向端部に応力がかかり、臨界電流(I_c)が低下します。これはREBCO膜がセラミクスで脆いことで線材を切断した際に生じるマイクロクラックが、ねじりによって伸展していることが原因ではないかと懸念されています。そこで我々は、ねじりによりI_cが低下したREBCO線材の劣化の起点と伸展について考察するため、走査型ホール素子磁気顕微鏡による面内臨界電流密度分布測定を行いました。また、走査型電子顕微鏡による表面組織観察も行い臨界電流密度分布との対応について検証しました。検証の結果、臨界電流密度分布が低下している領域で線材端部のマイクロクラックは伸展していたものの、線材内部まで伸展している様子はありませんでした。そこで結晶構造に着目したところ線材内部では局所的な結晶粒の剥離の伸展が確認でき、クラック形成の起点となっていました。したがって、ねじりによって結晶粒の剥離が生じて伸展したことが、I_c低下の原因であると考えられます。