公益社団法人化学工学会第54回秋季大会において「学生賞」受賞
2023年9月11日(月)~13日(水)福岡市の福岡大学にて開催された公益社団法人化学工学会主催 第54回秋季大会において、工学研究科 生命環境化学専攻1年 松山研究室 松岡 拓海さんの研究発表が「学生賞」を受賞しました。超臨界流体を含む高圧流体を利用した材料合成・製造・リサイクル技術、創・省エネ技術、バイオマス・天然化合物の有効利用技術、ならびにこれらの技術開発に必要となる基礎物性に関する最新の研究成果について幅広い視点で活発に議論することを目的としたこのシンポジウムにおいて、松岡さんの研究が優秀であると認められたものです。
受賞した研究のタイトルは 「超臨界含浸法により金属有機構造体の細孔中に固定化したPdRuバイメタルナノ粒子触媒」です。
受賞した研究のタイトルは 「超臨界含浸法により金属有機構造体の細孔中に固定化したPdRuバイメタルナノ粒子触媒」です。
「超臨界含浸法により金属有機構造体の細孔中に固定化したPdRuバイメタルナノ粒子触媒」
有機配位子と金属イオンとの自己組織化により形成される金属有機構造体(MOF; Metal-Organic Frameworks)は、規則正しいナノサイズの細孔を持つ多孔性結晶であり、金属ナノ粒子との複合化により高い触媒活性を示すことが知られている。一方で、貴金属であるPdとRuをナノレベルで複合化させることで、高い触媒活性を示すバイメタルを形成することが報告されている。これらMOFとバイメタルを組み合わせることで優れた触媒活性が期待できる。しかし、MOFの細孔内の構造や疎水/親水性は極めて複雑であり、汎用溶媒では細孔中へのナノ粒子の分散・固定化は難しい。一方、超臨界状態の二酸化炭素(scCO2)を用いた含浸技術は、超臨界流体特有の高い拡散性・浸透性から、多孔質材料へのナノ粒子の固定化法として適しており、金属ナノ粒子触媒の触媒担体への固定化法として極めて有効である。そこで本研究では、超臨界CO2含浸法を用い、PdRuバイメタルナノ粒子の合成場として、MIL-101(Cr)の細孔の利用を検討した。