生命環境化学科 桑原順子教授が第11回日本油化学会女性科学者奨励賞を受賞しました。
本賞は、日本油化学会が優秀かつ学会の国際化に大きく貢献した女性研究者に対して表彰するものです。桑原教授のこれまでの主要研究テーマは界面活性剤混合系でのペプチド構造転移に関する研究、最近では九州産の化粧品素材探索とその評価です。また、共催国際学会のorganizing committee、ならびに学会誌Journal of Oleo Scienceのreviewerを長年務めるなどの功績についても評価されました。
本賞は、日本油化学会が優秀かつ学会の国際化に大きく貢献した女性研究者に対して表彰するものです。桑原教授のこれまでの主要研究テーマは界面活性剤混合系でのペプチド構造転移に関する研究、最近では九州産の化粧品素材探索とその評価です。また、共催国際学会のorganizing committee、ならびに学会誌Journal of Oleo Scienceのreviewerを長年務めるなどの功績についても評価されました。
11月7日(土)日本油化学会年会閉会式にてオンラインにて授賞式が行われました。
桑原研究室では、九州産の天然資源から化粧品素材になり得る成分の探索、その評価を行なっています。これまでの研究では、養殖サバを捌く加工従事者の手の乾燥やかゆみなどのアトピー様症状が改善したという報告を受け、サバのぬめりにはこれらの症状を改善する何らかの有効成分が含まれているのではないかと考え、サバ表皮粘液成分の酸分解物のアミノ酸分析、抗酸化活性、抗糖化活性の機能性評価を行いました。その結果、養殖サバの低分子分画には抗酸化機構に関わるとされるアミノ酸のメチオニンが天然サバの約23倍多く含まれていることが明らかになっています。
また、養殖サバの粘液成分の抗糖化活性評価では、肌のハリ、弾力性低下に関連するAGEs(advanced glycation end products:終末糖化合物)の生成率が粘液成分の濃度増加に伴い減少傾向を示しました。さらに、養殖サバ表皮の粘液には抗酸化能を示すカルノシンやアンセリン(アミノ酸が2つ結合したペプチドの一種)が含まれていることが実験で明らかになりました。このような成分は高ストレス環境で生育された養殖サバの方が天然より多く含まれることがわかり、生育環境と抗酸化物質との関係についてさらなる研究を継続中です。
桑原 順子教授
- 工学部 生命環境化学科
- 工学研究科
修士課程 生命環境化学専攻 - 研究分野:生体高分子化学・環境材料科学
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