坂本 真仁さん:修士課程情報通信工学専攻1年(福岡県立稲築志耕館高校出身)
【今回の発表】
The 5th FTRA International Conference on Information Technology Convergence and Services (ITCS-2013)
『第5回 情報技術収斂とサービスに関する国際会議』
【受賞講演題目】
Performance Evaluation of WMNs Using Simulated Annealing Algorithm Considering Different Number Iterations per Phase and Normal Distribution
『焼きなまし法を用いた無線メッシュネットワークシミュレータにおける異なるフェイズ毎の繰り返し回数と正規分布を考慮した性能評価』
【研究について】
無線メッシュネットワーク(WMN)の実現に向けて、メッシュルータ配置最適化の研究をしています。
WMNは有線のケーブルに依存しないので災害時やイベント会場などの臨時ネットワークとして安価に柔軟なネットワーク構成ができます。更にネットワーク形態としてメッシュ型を採用することで突発的な障害が発生しても、ある程度の規模までであれば通信経路を再構築し、ネットワークとしての機能を自己修復することができるので、耐障害性も今までの有線ネットワークに比べて容易に高めることが出来ます。メッシュルータの最適配置は現在IEEE802.11s標準化における多数のWMN実現に向けて解決すべき問題の解決に有効であることがわかっています。また少ないコストで接続性の高いネットワークを構成するためにメッシュルータ配置最適化は必須です。
しかしメッシュルータ配置最適化は離散型のミニサム基準の施設配置問題とよばれる、いわゆるP-メディアン問題に属し、NP困難な非常に複雑で巨大な解空間を持つ問題であるため、厳密な最適解を求めるのは非現実的です。
本研究では、NP困難な問題に対して有効であることが知られている知的アルゴリズムやメタヒューリスティクス手法を用いて無線メッシュネットワークシミュレーションシステムの提案と実装、そしてその提案手法の有効性の検証と評価をしています。
【受賞感想】
バロリレオナルド教授から日々ご指導いただいて研究をすすめてきました。日々の積み重ねが、このような形で評価されたことは非常に光栄です。今回の国際学会での発表は研究を進めていくうえで非常に有意義な経験となりました。今後も学会での経験を糧に更に上を目指して努力を重ねていきます。
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