本学電気工学科の電気エネルギー蓄電発電・磁性研究グループ[今村正明名誉教授・田島大輔教授・北川二郎教授・大学院電気工学専攻修士課程 1年の学生田島研究室]と山口大学大学院創成科学研究科研究室(浅田裕法教授)との研究連携による研究により、液相エピタキシャル法による単結晶 YIG 薄膜を組み込んだスピン熱電発電素子における発電が YIG 膜の単結晶磁区の磁化過程と密接に関係していることを明らかにしました。
研究成果は電気学会の英論文誌
[IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering (Wiley on Line Library)]
に掲載されました。この研究は、新しい分野であるスピントロニクス(Spintronics)に属します。スピン熱電発電について、先の AIP Advances (Vol. 13, Issue 2, pp. 025001-1–025001-5, 2023) の論文で、フェリ磁性絶縁体中の局在電子スピンの歳差運動によるスピン流(Spin Currents)発生の機構を明らかにしています。これらの知見をもとに、研究を進めることでスピン熱電発電素子の発電特性向上を図ることが可能になると期待します。 論文は次の通りです。
“Spin-thermoelectric Generation of Insulator-based Generators Incorporating a Single-crystal Yttrium Iron Garnet Film in Relation to Domain Magnetization Processes” IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering, Vol. 19, Issue 2, pp. 183–186 (2024) https://doi.org/10.1002/tee.23964 (DOI: 10.1002/tee.23964)