【特許番号】第7017730号 【登録日】令和4年2月1日
【発明の名称】パラジウム-ルテニウム複合微粒子を用いた触媒およびその製造方法
工学部生命環境化学科松山准教授が発明し、特許出願(㈱エスエヌジーとの共願)した「パラジウム-ルテニウム複合微粒子を用いた触媒およびその製造方法」に関する技術発明が特許権を取得しました。
<本特許発明の要約>
ガソリン車用の三元触媒に利用される触媒の一つであるロジウム(Rh)は高価なため、このロジウムに代え、ロジウム(原子番号45)の周囲の原子番号のルテニウム(Ru、原子番号44)とパラジウム(Pd、原子番号46)を利用して人工ロジウムとしての機能を発現する触媒の製造等が試みられています。
しかしながら、パラジウム-ルテニウムの合金微粒子等は、触媒として利用するには種々の課題があります。例えば、現在提案されているパラジウム-ルテニウム固溶体型合金微粒子は、粒子サイズが100nm以下であり、その粒子の凝集性により反応性の低下や回収性の問題があります。このため、実際に利用するには、凝集した粒子を分散させる処理や、アルミナなどの担体に担持させるなど煩雑な処理が必要とされています。
本発明は、パラジウム化合物およびルテニウム化合物を含有する前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、多孔質体と前駆体溶液を接触させ多孔質体に前駆体溶液を含浸させた前駆体含浸多孔質を得る含浸工程と、前駆体含浸多孔質を還元する還元工程とを有するパラジウム-ルテニウム複合微粒子が担持された触媒を製造する方法、およびパラジウム-ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒に関するものです。
本発明に関するパラジウム-ルテニウム複合微粒子が多孔質体に分散担持された触媒は、一酸化炭素の酸化反応などに対する触媒活性が高い触媒です。本発明の製造方法によればパラジウム-ルテニウム複合微粒子が多孔質体の細孔内に分散担持されます。
これにより、優れた触媒活性を有する触媒を得ることができ、この触媒は、ロジウム触媒様の触媒として使用することができるようになります。