加藤研究室にて受賞記念の楯を手にする東嶋さん。右装置は研究したエアタービンスピンドル
講演題目:エアタービンスピンドルの回転数制御による加工面への影響(第1報)
大学院 工学研究科修士課程 知能機械工学専攻1年 加藤研究室・(香椎工業高出身)
日本機械学会若手優秀講演フェロー賞とは:
本賞はグローバル競争時代を迎えて大学院学生および企業若手研究者の意識高揚のため、日本機械学会のフェロー寄付金により2004年に設立されたものです。
優れた講演を行った学生員、正員に対して「日本機械学会若手優秀講演フェロー賞」として顕彰することによって若者に自信と誇りを与え若手の専門家育成を支援するものです。
東嶋さん研究概要:
本研究は、超精密加工で用いられているエアタービンスピンドルの回転数を高速かつ安定的に制御することを目的とした。
エアタービンスピンドルとは、空気圧を供給することで駆動する空気圧式のモータである(身近なところでは、歯科医療の現場で歯を削るモータとしても使われている)。
電気式のモータと比べて数十万回転の高速回転が可能で、回転軸の振れが少ないといった特徴を有している。
エアタービンスピンドルの供給空気圧力を高速に制御する技術が確立されておらず回転数の制御は困難であったが、新たに開発したHPQRという圧力制御器を用いて供給空気圧を高速に制御することで回転数を高速に制御した。
また、加工中にエアタービンスピンドルに作用する負荷の影響で回転数が低下する問題が発生する。
その問題を解決するために、制御系内に外乱オブザーバと呼ばれる負荷トルクを推定する制御系を組み込んだ。
その結果、加工中の回転数の変動を瞬時に抑制することに成功した。
今後、超精密非球面金型加工機への適用を目指し研究を行っている。
東嶋さんからのコメント:
このような誇れる賞を受賞して大変光栄です。
共同研究では互いに遠距離で調整に手間取るときもありましたが皆の協力で楽しく研究が進めました。
これも加藤友規准教授や共同研究先の方々のご指導、研究室メンバーの多大な協力があったからこその受賞だと思います。
この受賞を励みに今後の研究活動において良い成果を出せるように頑張ります。
参考:
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