修士課程情報通信工学専攻内田研究室の1年生が『第20回情報科学技術フォーラム FIT2021』において「FIT奨励賞」を受賞しました。これは2021年8月25日(水)~8月27日(金)オンラインにて開催された同フォーラム一般講演プログラムM分野ユビキタス・モバイルコンピューティングにおいて発表した研究に対して受賞したもので、テーマは「緊急度の高いメッセージにおけるQoS制御を考慮した拡張MQTT法に関する評価」です。
「緊急度の高いメッセージにおけるQoS制御を考慮した拡張MQTT法に関する評価」
近年、IoTサービスの著しい普及により、世界中のIoTデバイスは増加傾向にあります。また、工場や農業、そして土砂災害の監視といった用途では、低機能かつ省電力という従来の通信とは異なる条件が求められることから、これらの条件を満たす通信プロトコルとしてMQTTが注目されています。しかし、従来のMQTTはメッセージの優先度制御機能が無く、多数接続時の中継ノード(Broker)への負担が問題視されています。
そこで、本研究ではBrokerに変更を加え、緊急性の高いメッセージを優先的に転送することで、通信エラーや遅延時間を改善する拡張MQTT法を提案し、プロトタイプシステムを介してその評価を行い、有効性を示しました。
本提案手法は利用するデバイスが増えるほど効果を発揮するため、今後工場での製造監視やワインセラーの空調管理、そして土砂災害の警報システム等、多数のIoTデバイスが必要かつ、迅速な対応が求められる状況での活用が期待できます。
MQTTとは・・・
“MQ Telemetry Transport”の略で、パブリッシュ/サブスクライブ型の非常にシンプルで軽量なメッセージングプロトコルです。制約のあるデバイスや、低帯域幅、高レーテンシー、または信頼性の低いネットワーク向けに設計されています。